学ぶ

冬の支援制度「福祉灯油」

 冬は経済的に苦しい家庭が多いのが雪国です。灯油代、オール電化の家ならば電気代がかさむ12月~3月です。さらに車の燃費も夏に比べて悪くなります。そんな状況に嬉しい支援制度が福祉灯油です。

 市町村によっては名称が異なり、「福祉灯油制度」のほか「福祉灯油購入費助成(深川市)」「ぬくもり助成金(釧路市)」「老人家庭等福祉灯油代支給事業(幌加内町)」「福祉灯油見舞金」などがあります。灯油代というよりも冬季生活費支給に近いものがあります。

 早い話が「灯油代支給制度」です。支給対象となるのは資金繰りが苦しい低所得世帯。心身障害者のいる世帯や高齢者の世帯、母子世帯も対象となる都市もあります。その他規準も幾つかあります。

 心身障害者の世帯と高齢世帯は同じ量が支給され、母子家庭はそれよりも少ないこともありますし、同額の場合もあります。上限が一万円までとされていたり、交付世帯は全て3000円など、量は400リットルを、150リットルを、などさまざまです。

福祉灯油の歴史とは?

 この制度は1974年に北海道が設置した制度。最初の頃は、「3千円助成券(500円灯油券6枚)」といったものを交付していました。1998年度から北海道としてはやらなくなり、市町村単位で制度を引き継いで行うようになっています(1998年からは71市町村が実施)。しかし北海道から、総支給百万円以上の市町村限定で、半分の補助金がしっかり出ています(灯油価格高騰の2007年には20万円以上に引き下げられました)。

 最近では、この福祉灯油制度自体を廃止してしまうケースが目立ってきているとの事。存続させるか廃止するかはいまや各自治体が決めることができるため、財政難で困っている市町村では廃止の方向に進むことがほとんどです。2006年には50市町村ほどになりました。以下主な実施市町村(2005年末現在)。

釧路市 / 帯広市 / 稚内市 / 深川市 / 白糠町 / 幌加内町 / 寿都町 / 蘭越町 / 東神楽町 / ニセコ町 / 泊村 / 神恵内村
※また珍しいケースとして自治体以外で取り組みをしているところもあります。たとえば、留萌市では留萌市社会福祉協議会が福祉灯油券交付をしていますし、音更町JA木野では高齢者や障害者向けに灯油代をリッター5円引きしていました(2005年シーズン)。

2007・原油価格高騰の影響

 2007年から2008年シーズンには、それ以前から続いてきた原油価格高騰のあおりを受け、上述の福祉灯油を復活させるところがでてきました。180市町村あった道内自治体のうち4市町(札幌市、後志管内積丹町、仁木町、留萌管内天塩町)を除く176市町村が、通常あるいは緊急実施しました。うち生活保護世帯にも支給するのは24市町村。

 札幌市では福祉灯油制度導入は見送ったものの、非課税世帯では公衆浴場入浴の際に割り引く、省エネのペレットストーブ購入支援、応急援護資金条件緩和、中小企業には原油高騰緊急対策資金創設などを決定。

 稚内市では福祉灯油制度をすでに実施しているものの、支給対象者に低所得高齢者にも助成を決定。稚内では約1000世帯対象に各100リットルの灯油券を支給することになります。雄武町でも灯油助成を開始。

 釧路市ぬくもり助成はすでに毎年実施している福祉灯油制度。本年は4200世帯に1世帯あたり1000円プラスして3000円助成することになりました(阿寒・音別地区では5000円、翌年同額に)。

 岩見沢市では、高齢者や母子家庭世帯に灯油購入券4000円、認可保育園や幼稚園に4~6万円を補助。雨竜町では初めて灯油購入券を導入し、高齢者世帯などに100リットルの灯油券を支給。

 三笠市では8年ぶりに福祉灯油制度を復活。2008年2月に1224世帯を対象に各4000円を助成券発行。砂川市でも17年ぶりに福祉灯油制度を実施。2007年12月から1ヶ月間1600世帯に各5000円助成券を発行。

 後志管内泊村では従来の福祉灯油対象外世帯にも1世帯あたり1万円の暖房助成券を配布。また2漁協にも漁船燃料費を助成する初めての試みを行う。十勝管内大樹町でも福祉灯油導入を決定したが、同町では香島水産社長が独自に福祉灯油を実施してきた。

 鹿部町商工会では、期間限定プレミア商品券5000円を発行しガソリンや灯油購入を助成。また、灯油高騰を受けて、灯油窃盗事件多発しています。この事態になっても石油備蓄は温存中です。

AirBookmark

筆者について

編集部

編集部

北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。