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冬の風物詩「ササラ電車」

 市電は現在、道内では札幌市と函館市の二箇所だけです。雪国ですから、 積雪対策は重要です。JRにも除雪専用車両があるように、市電にも当然存 在していますが、通常の鉄道のものとは違います。

 その名前は「ササラ電車」。冬が近くなると、ササラ電車準備のニュー スが必ず報道され、冬の訪れを感じさせます。ササラ電車のササラって何 でしょう?しくみは?

ササラ電車の仕組み!

 車両の前後に「ササラ」を取り付けます。一般にブルームというもので、 「(ロータリー)ブルーム式電動除雪車」とも呼ばれます。ササラは長さ28.5 cm、直径3.5cmで、細長い竹を金属で一端を束ねたもの。円筒状になってい ますので、かなづちでたたいていきます。係りの方々の手作りです。

 横1本の木の棒に、それを50束一列に並べて取り付けます。これを8本制 作し、回転軸の周りに放射状に取り付けます。こうして「回転するタワシ」 が完成します。進行方向左側に斜めに向いて取り付けられます。

 札幌市電のササラは車両の前後合わせて800束となります。さらに、何回 もササラが折れてしまうため、一冬で2~3回交換します。雪が降ると朝4時 に出動して、新雪のうちに雪をはらいのけます。たとえ雪が降らなくても、 レールについた氷を取り除く目的で、冬季間は毎朝出動しています。降雪 が多いと昼間でも出動したりします。

※函館市電の場合900束が使用されています。しかしながら、最近では軌道 上も走行可能なトラックによる除雪が多くなっています。

ササラ電車の誕生と由来!

 ササラ電車が札幌市電に登場したのは1925年1月。1918年に札幌市電が 馬車鉄道から転換して誕生してから、1925年までの7年間は除雪車両とい うのがなかったも同然でした。

 開発したのは、札幌市電の前身である札幌電気軌道の技師長。竹ぼうき で除雪することをヒントに3年かけて考え出しました。ササラとは「簓」 と書くもので、タワシのように食器を洗う際に用いる台所用品。これが名 前の由来になりました。

 素材として使用する「竹」探しが難しかったようですが、除雪時の強度 面を考慮して、山口県萩市(旧福栄村)の孟宗竹(もうそうちく)を使用する ことになりました。竹にはアスファルトを傷つけないというメリットもあ ります。

 雪国ならではのアイデアは、現在でも変わらず続けられており、冬季の 路面電車の運行を陰ながら支えています。

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編集部

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北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。