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屈斜路湖&摩周湖の雲海を見るならココへ行け!周辺雲海スポット7選

屈斜路湖は、ひがし北海道を代表する雲海の景勝地です。屈斜路湖は周囲57キロメートル、面積は79.3平方キロメートルもある日本最大のカルデラ湖。この湖が雲海で埋め尽くされる光景は、早起きをして見に行く価値があります。

屈斜路湖が雲海ファンを魅了する理由は、なんといっても夏60%以上という雲海遭遇率の高さと、展望台の多彩さ。屈斜路湖周辺の展望台は、それぞれ町やアクセスも違えば見渡せる風景も違うので、見比べが楽しいのです。さらには屈斜路湖から最短15キロメートルで行ける摩周湖でも、素晴らしい雲海を見ることができます。

ではどこから目指すか? どう見るか? 地元在住の筆者が、屈斜路湖の雲海スポット5カ所と摩周湖の雲海スポットを2カ所選んで、どこよりも詳しい阿寒摩周国立公園内の雲海情報をお届けします。

同じ日の朝に複数の雲海スポットをめぐる「ハシゴ雲海」のアドバイスや、裾野の雲海を眺めながら走れる裏道など、ちょっとニッチな情報も併せてご紹介しますのでどうぞお楽しみに!

屈斜路湖&摩周湖の雲海を見るならココへ行け!周辺雲海スポット7選

夏場の屈斜路湖は雲海遭遇率60%以上。複数ある発生理由

意外にも、屈斜路湖の雲海は1年中、発生しています。頻度は少ないものの冬季でも現れているのです。そのことを前提に、まずは屈斜路湖で雲海が発生するメカニズムを知っておきましょう。

屈斜路湖の雲海は6月から10月が見ごろで、7月8月の遭遇率は60%以上。夜明け前に発生した雲海は、だいたい午前8時くらいまで残っています。

そして夏季に雲海発生率を高めているのが「移流霧」。暖かく湿った南風が、太平洋の釧路沖を流れる寒流(親潮)の上を通ると、海面の空気が冷やされて海霧が発生し、移流霧となります。

移流霧は釧路川をつたいながら北上し、釧路川の源である屈斜路湖に到達し、湖を覆いつくします。移流霧の高さは400~500メートルもあるため、標高の低い峠は霧に埋もれてしまうこともしばしばです。

そのほか湖内で生まれる雲海もあります。高気圧に覆われた夜、放射冷却によって湖面に冷気が溜まって起こる「放射霧・盆地霧」。前線や気圧の谷が通る時、湿った空気が持ち上げられて発生する「滑昇霧」(かっしょうぎり)。冬の晴れた朝には、湖面から蒸発する水蒸気が冷やされて「蒸気霧・けあらし」も発生します。

このように、雲海が発生する要素が複数あるため、特に夏季は雲海が発生しやすいのです。

1.まず目指したい、日の出の雲海が神々しい「津別峠展望台」

屈斜路湖&摩周湖の雲海を見るならココへ行け!周辺雲海スポット7選

屈斜路湖の雲海スポットのうち、もっとも人気が高い場所が「津別峠展望台」。ここは標高が947メートルで、車で行ける外輪山の展望台の中では1番高い場所です。高いだけに遠くまで見渡せることはもちろん、ほかの展望台が移流霧に埋もれて何も見えない時でも、津別峠展望台なら雲海を見渡せるチャンスがあることも人気のポイントです。

また津別峠展望台は正面から太陽が昇ることも魅力です。前方には斜里岳の秀麗な姿。外輪山の向こうから陽光がキラリと差し、しだいに雲海を金色に染めていくページェントは神々しくも美しい。

▼朝日に染まる「津別峠展望台」の雲海
屈斜路湖&摩周湖の雲海を見るならココへ行け!周辺雲海スポット7選

太陽が完全に昇ったあとは風が吹くため、それまで静かだった雲海がにわかに波打ちはじめます。雲海は常に動き、刻一刻と風景を変えていますから、いつまで見ていても飽きません。

雨空の夜明け。今日雲海は出ないだろうと諦めモードで津別峠を上ってみたら、外輪山からあふれ出るほどの大雲海が発生していた! そんな朝もあれば、まさに五里霧中の真っ白ずくめの視界に落胆していたら、風が吹いて突然湖面が姿を現すことも。たびたび劇的なシーンに出会えるのが津別峠です。

▼外輪山が隠れるほどの大雲海
屈斜路湖&摩周湖の雲海を見るならココへ行け!周辺雲海スポット7選

雲海も、幻想的に凪いだものや重厚なもの、スピーディーに躍動するものなど千差万別です。同じものは二度と現われない一期一会の光景だから、明日また訪れたくなる。これが雲海ファンの間でよく言われる「津別峠のとりこになる」という現象です。

津別峠への道は、11月~5月下旬まで冬期通行止めとなるため、ぜひ夏季のうちに何度でも訪れてください。

津別峠は、名物ガイドの雲海ツアーに参加すると感動3倍

屈斜路湖&摩周湖の雲海を見るならココへ行け!周辺雲海スポット7選

2018年6月2日。この日、筆者は今シーズン初の「屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠」に参加するため、津別峠展望台にやって来ました。

弟子屈町屈斜路から津別峠へと通じる道道588号(屈斜路津別線)は、2016年8月の台風により1年以上も通行止めとなっていましたが、2018年5月にやっと開通の日を迎えました。開通と雲海シーズンの始まりを待ちわびていた人々が、日の出の前から並んでいます。

▼「津別峠展望台」に並ぶ雲海ファン
屈斜路湖&摩周湖の雲海を見るならココへ行け!周辺雲海スポット7選

そして太陽も昇りきって写真撮影もひと段落した4時30分ころ、「屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠」がスタートしました。ツアーといっても大きな移動はなく、津別峠展望台のエリア内で催行されます。

ガイドは、津別町を拠点に自然体験事業等を行う「NPO法人 森のこだま」代表の上野真司さん。津別峠の雲海を毎日見たくなり、ついに9年前、横浜市から移住してしまった人です。

▼「屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠」のガイドとして知られる上野真司さん
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上野さんの話はとにかくおもしろくて深い! 屈斜路カルデラ誕生の歴史や地形、気候をひもときながら、屈斜路湖の雲海と自然の奇跡について語ってくれます。そしてその間、参加者からは笑いと歓声が途絶えることがありません。単独で風景を見るだけより、体感できる感動は遥かに倍増します。

ツアーならではの魅力はまだあります。たとえば通常なら午前9時にならないと入場できない展望デッキに上がることができ、屈斜路湖と360度のパノラマ風景を眺望できることもうれしい特権。さらに高いところから屈斜路湖を眺望できますから、東には知床連山とオホーツク海。西を見れば雌阿寒岳に雄阿寒岳と、大きな景観が広がります。

▼360度の視界も「屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠」の醍醐味
屈斜路湖&摩周湖の雲海を見るならココへ行け!周辺雲海スポット7選

津別峠雲海ツアーの後半、展望デッキで津別町ノンノの森の湧水で淹れたモーニングコーヒーを味わっていたころ、南西方向から移流霧が近づいて来ていることに気付きました。

空には「天使のはしご」と呼ばれる薄明光線(はくめいこうせん)がうっすらと。この日は湖を覆う雲海こそ見ることがかないませんでしたが、「これはこれで良い風景だ」と見惚れながら、津別峠から見る屈斜路湖はいつも素晴らしいと思うのでした。

▼展望デッキから。移流霧が近づいて来る
屈斜路湖&摩周湖の雲海を見るならココへ行け!周辺雲海スポット7選

「津別峠展望施設」の開館時間は9時から19時までですが、これ以外の時間でも駐車場やトイレ、そして眺望を楽しめる展望広場は誰でも利用できます。

上野さんは「津別峠展望施設」が閉館している19時から9時までの間、展望施設を使ってガイドツアーを実施しており、このツアー代金の一部は施設使用料として津別町に納められ、展望施設の維持管理に使われています。こうした取り組みは、自然資源や施設を活用しての地域活性化を目的とするものです。

▼「津別峠展望施設」
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津別峠展望台
所在地:北海道網走郡津別町上里
展望施設の開館時間:9:00~19:00(※トイレは24時間)
展望施設の開館期間:6月1日~10月31日(天候により前後する場合あり)
駐車場:32台
問い合わせ先:0152-76-2151 津別町役場商工観光グループ
※11月~5月下旬まで道々588号「ランプの宿森つべつ~津別峠~屈斜路湖畔」は通行止め
公式サイト
屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠
所要時間:約80分(送迎付き)
料金:大人1名3,300円
予約・問い合わせ先:080-8178-6120(森のこだま)※気象条件により雲海が発生しない場合や、悪天候により中止になることがあります
最寄りの宿泊情報
「ランプの宿森つべつ」津別町上里(津別峠まで9.3キロメートル)、「屈斜路プリンスホテル」弟子屈町屈斜路(津別峠まで11キロメートル)。両ホテルともフロントで「屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠」に申し込み可能。ほか20キロメートル圏内の弟子屈町屈斜路にペンションや民宿が複数あり、津別峠まで送迎サービス付きの宿もあるので摩周湖観光協会015-482-2200に問い合わせを。

筆者について

浜岡あけみ

浜岡あけみ

1985~96年まで札幌市の広告制作会社でコピーライターとして勤務した後、フリーランスに。現在、ひがし北海道を拠点として執筆中。