名水百選ふきだし湧水が人気! 羊蹄山の湧水スポットを巡ろう!


【京極町・真狩村・倶知安町】 道内にある名水百選は3か所。そのうち、札幌圏に近く、最も訪れる人が多いのが、羊蹄山山麓の京極町にある「ふきだし湧水」だ。そして同じくやはり人気の高い真狩村の「羊蹄の湧き水」。それ以外にも、羊蹄山山麓には天然の湧水ポイントが点在する。

これら湧水ポイントは、蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山(標高1,898m)に降った雨や雪が何十年もの歳月をかけて地下に浸透し、地表に湧き出してきている。湧水は冷たく澄んでおり、とても美味しいと評判で、わざわざ汲みに訪れる人もいるほどだ。

羊蹄山山麓にある湧水ポイントは数えきれないが、1日20000m2以上の湧水ポイントは6か所あり、それらは羊蹄山の南東側に集中するという。つまり、京極町・喜茂別町・留寿都村・真狩村のあたりに多くある。そして、西部に比べ東部の水は主要成分の濃度が低く口当たりがまろやかだという。今回は、冒頭に述べた二か所を中心に羊蹄山からの美味しい湧水ポイントを紹介したい。


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▼羊蹄山山麓の名水は様々な商品の水に利用されている。コーヒーにも適している。

水汲みの定番スポット!名水百選「京極のふきだし湧水」

ここは名水百選に選定されており名水ポイントとしては有名すぎるほど。1985年に「羊蹄のふきだし湧水」として環境省の「名水百選」に選ばれたのを皮切りに、1990年に建設省が「生活を支える自然の水30選」に、1996年に国土交通省(当時国土庁)が京極町を「水の郷百選」に選定。2002年に「北海道遺産」に選定されている。

そんな京極町のふきだし湧水は、湧水量が国内トップクラスだ。その湧水量は雪解け時の5月に最大となり、1日当たり8万4000トンに迫る。これは約30万人分の生活用水に相当するという。水温は年間通じて6.5度を一定で、水質も水量も申し分ない。そのため、京極町の簡易水道で生活用水や工業用水として利用されている。

周辺はよく整備されており、駐車場、土産店、道の駅「名水の郷きょうごく」も2007年に整備された。毎年7月には当地を会場として「名水の里きょうごくしゃっこいまつり」も開催されるほど、町を挙げて名水の町をPRしている。

ふきだし公園では、ポリ容器を台車に載せて行き来する人も少なからず見受けられる。天然地下水は岩壁から次から次へとあふれるほど湧き出してくるので、一体どこにこれだけ貯蔵されていたのかと疑問に感じてしまうほど。まるで滝のように湧水の音が様々な音をかき消す中、木製の取水レーンが設けられ、好きな場所で水を飲んだり汲んだりすることができるし、周辺を散策することもでき、癒しスポットとして最適だ。




コップも備え付けられているので、道産子アイドル三村遙佳ちゃんが実際に飲んでみた。夏にも関わらず冷たい水に驚いた様子で、飲みやすいとコメント。透明感も魅力の一つだ。夏季の週末は混雑することがあるが、飲んだことのない方は是非一度飲んでいただきたい湧水の一つだ。行けないけどどうしても飲みたい方はこちら


真狩村側の水汲みスポット「羊蹄の湧き水」

京極町のふきだし湧水から羊蹄山を挟んでちょうど反対側に位置するのがここ、真狩村の「羊蹄の湧き水」だ。道道沿いに位置し、入口付近にも湧水の岩があるが、奥には水車があり、岩から湧き出す採取場がある。蛇口が幾つも設置されており、水を汲みに来る人たちに利用されている。


すぐ脇には「湧水の里」(火曜定休・10月まで8:00~18:00・3月まで8:30~17:00)があり、湧水を使って作った手作り名水豆腐や名水豆乳を販売する。石臼と直火だき地釜による昔ながらの製法でこだわりをもって製造しているという。木綿豆腐、絹豆腐、たぬき豆腐、ふんわりもめん豆腐、湯葉豆腐、鶴の舞豆腐、枝豆絹豆腐、すごいとうふなど数が豊富。他にも手作りおからドーナツ、名水鶴の子わらび餅、豆乳デザート、えだ豆くずもちなども取りそろえる。試食コーナーも充実しているので、水を飲んだあとは、こだわりの豆腐を味わってみては。

倶知安駅前には日本一の水があるらしい


倶知安駅前には「日本一の水」と命名された湧水がある。ここももちろん羊蹄山山麓から湧き出してくる水で、町内の水道水に使われている日本一美味しいという噂の水道水だ。水飲み場という外観で、倶知安町のキャラクター「ジャガ太くん」をイメージ。子供たちには喜ばれそうな湧水ポイントだが、日本一美味しいかどうかの判断は皆さんに委ねたい。



羊蹄山山麓をドライブする際は、このような湧水スポットが多数あるので飲み水には困らない。美味しい水と共にニセコエリアの観光を楽しんでいただきたい。