帯広を訪れたら必ず入りたくなる!「天然温泉アサヒ湯」の魅力とは?

個人的なことで恐縮ですが、筆者は取材のため、日々北海道中を駆け巡っています。取材の疲れを癒やしてくれるのが、道内各地にある温泉です。

これまでずいぶんいろんな温泉に入ってきました。中でもいちばんのお気に入りなのが、帯広の「天然温泉アサヒ湯」です。帯広を訪れた際は必ずこの温泉に入ります。なぜそこまで魅了されたのか、アサヒ湯の魅力をご紹介していきましょう。

アサヒ湯のいちばんの魅力とは

北海道各地にはたくさんの温泉地があり、街中にもたくさんの温泉施設があります。数ある温泉の中からお気に入りができる理由は、泉質の良さであったり、施設の充実度や清潔さであったり、ご近所さんが集まる社交場だったりと、さまざまでしょう。帯広にある「天然温泉アサヒ湯」の良さは、なんといっても泉質です。

▼施設自体はいたってシンプル

アサヒ湯は、植物由来の有機物を豊富に含むモール泉。北海道では、十勝地方で多く見られる温泉です。世界的にも珍しく、アサヒ湯にも全国からファンが集まってくるほど。実際に温泉を見ると、琥珀色のお湯に、最初は驚くかもしれません。

▼琥珀色の湯はモール泉の特徴

泉質はアルカリ性単純温泉で、手を入れただけで肌にたくさんの気泡が付くのが分かります。肩まで湯に浸かると、体中が気泡で包まれます。

また、湯がぬるぬるしているのも、この温泉の大きな特徴です。まるで天然のトリートメントのようで、保湿効果と美肌効果をまさに肌で実感することができます。ただし、床もぬるぬるしているので、転ばないように気をつけてください。

▼手を入れるとたくさんの気泡が

驚くことは、まだあります。温泉の入った湯船の周りをよく見ると、どこにも湯口がないことに気がつくはずです。実は湯船の底に近い側面に数カ所の湯口があり、そこから源泉が出てきて湯船に溜まり、かけ流しになっているというわけです。豊富な湯量があるからこそできる仕組みで、もちろん、加温、加水、循環ろ過などは一切行っていません。洗い場のカランやシャワーから出ているのも、湯船と同じ天然温泉です。

一度は廃業しながらも

アサヒ湯が開業したのは、1951(昭和26)年のこと。当時は温泉ではなく、普通の沸かし湯銭湯でした。1983年に、念願だった温泉掘削に成功し、温泉銭湯に生まれ変わります。地下1.2kmから湧いている温泉ですが、掘り当てた頃は自噴していたというから、いかに湯量が豊富だったかがうかがえます。

▼アサヒ湯ののれん

その後、館主の体調不良などから一度は廃業を余儀なくされたアサヒ湯ですが、全国のファンからの熱い要望を受け、現オーナーが復活させました。復活の際には施設もリニューアルされ、ますますお客さんに喜ばれる温泉になっているようです。

▼清潔な脱衣場もうれしい

館内にある温泉分析表によると、泉温は42.3℃となっているようですが、実際には44℃以上あるそう。先述したように加水はせず、バルブ調整で湯船の温度をちょうどいい具合に保っています。

▼男女共有の休憩ラウンジ

アサヒ湯はJR帯広駅から東方向の住宅街にあります。日曜は朝湯営業もしており、近所の人に評判なのだとか。帯広を訪れた際にはぜひ立ち寄って、モール泉の独特な湯を味わってみてください。その心地良さは、きっとやみつきになるはずです。

天然温泉アサヒ湯
所在地:北海道帯広市東3条南14丁目19
電話番号:0155-24-1933
定休日:元旦
営業時間:13時~23時(最終入場22時30分)、日曜のみ朝湯営業 6時~10時
泉質:アルカリ性単純温泉