旅する

足元の噴気孔に注意!間近で見られる火山の姿―アトサヌプリ(硫黄山)

これまで有珠山雌阿寒岳と、噴煙を間近で見ることのできる火山へ登ってきましたが、さらに近くで噴煙を見ることができる火山があります。前回取材した雌阿寒岳と同じ、阿寒摩周国立公園に属する「アトサヌプリ(508m)」です。

アイヌ語で「アトゥサ(裸)」、「ヌプリ(山)」を意味し、最新の噴火は300~400年前と推測され、現在も噴煙を上げている火山です。

周辺は硫黄成分の為酸性化した土壌で、丈の低いハイマツやイソツツジまたは一部コケモモやガンコウランなど、日本で最も標高の低い場所で高山植物が見られる場所です。

近くには「マクワンチサップ(574.1m)」、「サワンチサップ(520m)」等の山もあり、そのすべては溶岩ドーム。以前取材した「樽前山」の溶岩ドームでは登山の末、遠くから見るだけでしたが、ここでは足を踏み入れて間近で見ることができる貴重な火山帯です。

▼アトサヌプリに重なるように奥にはマクワンチサップ、右にサワンチサップ、その奥には屈斜路湖が見え、一番奥の山は藻琴山
足元の噴気孔に注意!間近で見られる火山の姿―アトサヌプリ(硫黄山)

アトサヌプリでは、1872年(明治5年)~1970(昭和45年)にかけて硫黄の採掘が行われており、麓に硫黄の鉱山があったことから、現在では硫黄山(いおうざん)と呼ばれるようになったようです。

隣のマクワンチサップ頂上にある三等三角点名が「硫黄山」であることや、アトサヌプリに限らず、周辺の山々を含めた一帯を硫黄山と呼ぶという話もあるのは、この歴史的背景があるからでしょう。

アトサヌプリ(硫黄山)へのアクセス

道東は弟子屈町から国道243号線を北に走り、途中から右折し国道391号線へ入ります。JR釧網本線川湯温泉駅の看板を過ぎたら、道道52号線へ左折し600m程走ると、左側に硫黄山への入り口が見えてきます。硫黄山は観光地として整備されており、大きな駐車場やビジターセンターが建っています。

▼JR川湯温泉駅より、すぐ近くに噴煙が見える
足元の噴気孔に注意!間近で見られる火山の姿―アトサヌプリ(硫黄山)

▼駐車場入り口
足元の噴気孔に注意!間近で見られる火山の姿―アトサヌプリ(硫黄山)

足元に注意! 間近で見られる火山の姿

駐車場へ着くと、目の前にモウモウと噴煙を上げる火山が目に入るのですが、それが山の上ではなく同じ目線から吹き出している様に驚きます。

駐車場から噴煙の吹き出している山裾までは灰色の荒涼とした砂礫地帯となっていて、月面を思わせるような景色で、アイヌ語での「裸の山」という呼び名の意味がよくわかります。

さらに驚くことに、柵はあるものの噴煙近くまで自由に行くことができます。

足元の噴気孔に注意!間近で見られる火山の姿―アトサヌプリ(硫黄山)

足元の噴気孔に注意!間近で見られる火山の姿―アトサヌプリ(硫黄山)

柵沿いに歩くと、硫黄成分により黄色くなっている岩から吹き出す水蒸気と、そのゴーゴー唸る音に、とてつもない力を感じます。当然、硫黄臭もするのですが、目の前の光景に臭いのことを忘れてしまうほどです。柵の外でも足元に多数の噴気孔や、穴の中でグツグツと沸き立つ熱湯が溜まっている場所もあり、気をつけなければなりません。

▼足元に噴気孔。つい触れてみたくなりますが、絶対やめましょう!
足元の噴気孔に注意!間近で見られる火山の姿―アトサヌプリ(硫黄山)

▼噴気孔を間近で見られる
足元の噴気孔に注意!間近で見られる火山の姿―アトサヌプリ(硫黄山)

▼山を背にして。100mほどの砂礫と奥には駐車場、ビジターセンターが見える
足元の噴気孔に注意!間近で見られる火山の姿―アトサヌプリ(硫黄山)

大抵の探険や挑戦は「為せば成る」わけですが、この火山活動を目の前にすると誰であろうと、手を出してはいけない、何もできないという謙虚な気持ちを持たざるをえません。このような火山の上で私たちは暮らしているということを、改めて認識させられる場所です。

現在は立入禁止ですが、以前は登山も可能だったようです。このような標高の低い場所で火山の姿の一片を感じることができる場所は、なかなかないでしょう。6月~9月にはガイドツアーも開催されているようですので、参加することで硫黄山について詳しく知ることができそうです。

足元の噴気孔に注意!間近で見られる火山の姿―アトサヌプリ(硫黄山)

【動画】映像で見るアトサヌプリ(硫黄山)

【参考リンク】弟子屈町観光情報 硫黄山

筆者について

中瀬りあの

中瀬りあの

スポーツ万能インドア派を目指してきて、はや40代。アウトドアスポーツは何でも挑戦。インドアでは世代的にゲーム好き。(どちらも上手くはない)子供のように何にでも興味はある。