全長2000m! 本家本元・中国のお墨付きも得た下川町の「万里の長城」

中国の世界文化遺産「万里の長城」。2万km以上の総延長があったとされる有名な長城である。毎年多くの観光客が訪れているようだが、実は中国に行かずとも日本でも万里の長城を見れて歩けてしまう場所がある。それが下川町の「万里長城」である。

下川町の桜ヶ丘公園には、中国の万里の長城を模した人工構築物が公園の周囲約2kmに渡って存在する。もちろん本家本元の万里の長城に比べれば規模は小さいものだが、なかなか立派にできている。今や下川町名物の一つとして定着し町のシンボル、観光名所ともなっている。しかし、町によれば、そこには観光資源を生み出そうとする地元の涙ぐましい努力があったのだ。

遡ること1983年。下川鉱山が全面休山となり、ちょうどその頃、林業も低迷してしまっていた。町おこしをする必要があったが、観光資源もない下川町。そこでまずは観光資源づくりに着手したのだった。提案されたのは中国にある万里の長城を模した構造物の築城作戦。当時としては画期的なボランティアによる手作りで参加型のものとした。目標は2000年秋に2000m到達。それに向けて1986年8月、もっこで石を運んで積み上げていく気の遠くなるような作業がスタートした。





参加した人たちは合計12万人以上で、石には参加した人たちの名前が刻まれた。こうして出来上がった万里の長城に使われた石は15年で15万個以上に達した。さらに喜ばしいことに、1990年に「ミニ」を付けない「万里長城」という名称の使用を中国から承認された。現在は「万里長城」として町民に、観光客に親しまれている。2月の「アイスキャンドルミュージアム」の際にはアイスキャンドルが設置されて幻想的な光景を演出してくれる。

公園内には展望塔があり、公園内の万里の長城を上から眺めることができるほか、万里の長城の上を歩いて散策することも可能だ。一周2kmの万里の長城ウォーキングにチャレンジしてみるのも面白いのでは。