フランスの音色が大雪山にこだます「大雪展望台エスポワールの鐘」


【上川町】 上川町市街地にほど近い上川公園の高台には、フランスから送られてきた日本一の鐘が取り付けられた展望台「大雪展望台エスポワールの鐘」がある。決められた時間に周囲一帯にフランスの音色が鳴り響くだけでなく、大雪山系の山々を望む展望スポットとしても知られる。展望台は上川市街地からも山の上にあるのがよく見える。上川町のカントリーサインにはこの展望台のエスポワールの鐘がデザインされており、町の象徴の一つといってもよい。


展望台は標高約400mに位置する。車で展望台駐車場までのぼり、展望台駐車場からは徒歩で展望台までのぼり、さらに螺旋階段で展望部までのぼるという流れになっており、かなり疲れるので、余裕を持っていくことをお勧めしたい。



展望台一階の入口を入ると、なぜか机があったり、奥までどこまでも続くかのような丸い鏡がある。螺旋階段をうつしたものであるが、ここにはタイムカプセルが置かれており、2034年に開けられる予定になっているという。ちなみにこの展望台が建設されたのは1984年で、上川町開基90周年事業の一環とのこと。50年間封印されていることになる。なお、設計は六角鬼丈氏である。

展望台頂上部までは90段の螺旋階段。のぼりきると、そこからは上川町市街地が広がり、その奥に2000m級の大雪山連峰を一望することができる。この展望台付近にフランスから特別注文して取り寄せた直径1.5mの鐘が5つ取り付けられており、それぞれド・レ・ミ・ファ・ソの音階を鳴らす(配列はソ・ミ・ド・レ・ファ)。9:00から3時間おきに1日4回(9:00、12:00、15:00、18:00、冬季は変更あり)に大きく鳴り響く鐘の音を聞くことが可能だ。展望台にいればその音の大きさにびっくりすること間違いなしである。




エスポワール(espoir)とはフランス語で「希望・望み」を意味する。スイス国境に近いフランスのサヴオア地方の田舎町・アヌシーにある鐘の鋳造業者「パッカール社」が製造した鐘5つである。同社は、パリ・モンマルトルの丘のサクレ・クール寺院の19tの大吊鐘を製造した技術も持つ会社だ。その会社の技術で作られた鐘はいまも上川町に美しい音色を響かせている。

上川公園大雪展望台エスポワールの鐘
所在地:上川町字越路
営業期間:5月~10月(11月~4月閉鎖)9:00~16:30
入場料:無料