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町の顔が宿として蘇った!洞爺湖エリア初のゲストハウス「佐藤商店」

2017年9月、胆振管内豊浦町の豊浦駅前に「Guest House 佐藤商店」が誕生しました。洞爺湖エリアで初めてのゲストハウスとして、オープン以来、多くのバックパッカーに親しまれてきました。なぜゲストハウスなのに「佐藤商店」という名がついているのでしょうか。オーナーの佐藤理華さんに話を伺いました。

なぜ豊浦町にゲストハウス?

佐藤さんは、小樽市生まれ、伊達市育ち。その後北海道を離れ、東京で芸能・音楽活動や人力車ガイドなどを行っていました。人が好きで、目の前で触れ合えることがしたい、生まれ育った北海道に恩返ししたいという思いが募っていたといいます。

▼自身を「コネクトパートナー」と呼ぶ佐藤さん
町の顔が宿として蘇った!洞爺湖エリア初のゲストハウス「佐藤商店」

2016年8月からは佐藤さんの祖母が生まれ育った町、豊浦町で地域おこし協力隊として観光の窓口づくりを1年間担当。豊浦町に深く関わる中で、胆振管内に3,000円台の宿がなく、バックパッカーの利用できる宿が限られていることに気づきました。地元に求められているのは宿だと感じ、洞爺湖エリアで初となるゲストハウスを開設することを決めました。

物件を探していると、豊浦駅前の角地に建つ空き店舗を発見。佐藤さんと同姓のおばあさんが一人で日用品や食品を販売していた「マルフク佐藤商店」で、約50年間、町の顔として親しまれたのち6年前に閉店していました。

同姓の名前で親近感を感じた佐藤さんは、オーナーと面接。豊浦町への熱い想いや、ゲストハウス開設の構想を伝え、快諾してもらったといいます。このおばあさんが小樽市出身で、32歳で佐藤商店を始めたことも判明し、当時32歳だった佐藤さんは共通点が幾つもあることにシンパシーを感じていたそうです。

▼目の前はJR豊浦駅
町の顔が宿として蘇った!洞爺湖エリア初のゲストハウス「佐藤商店」

▼マルフク佐藤商店の名をそのままに2017年にオープンした「Guest House 佐藤商店」
町の顔が宿として蘇った!洞爺湖エリア初のゲストハウス「佐藤商店」

宿泊者と町民のコミュニティの場にも

旧店名をそのまま生かした「Guest House 佐藤商店」は、改装した上で2017年9月27日にオープン。2階に20ベッドを備え、1階の団欒スペースは、海を意識して青と白を貴重とした爽やかな内装が特徴的です。

内壁には、地元産ホタテの貝殻でできた天然の塗料を採用。店内には、豊浦町らしくホタテの貝殻があちこちに置かれています。現役の黒電話など、旧店舗にあったものも生かしています。

▼7~8月には延べ300人が宿泊したという2階宿泊スペースは半個室
町の顔が宿として蘇った!洞爺湖エリア初のゲストハウス「佐藤商店」

▼トイレ・シャワー・キッチンは共用
町の顔が宿として蘇った!洞爺湖エリア初のゲストハウス「佐藤商店」

▼交流が生まれる1階スペース
町の顔が宿として蘇った!洞爺湖エリア初のゲストハウス「佐藤商店」

▼ホタテの貝殻が豊浦町らしさを演出。アワビの貝殻を使った小物アクセサリーの販売も
町の顔が宿として蘇った!洞爺湖エリア初のゲストハウス「佐藤商店」

オープンに先立ち、町民を招いて内覧会を開催したという佐藤さん。「あの佐藤商店が蘇った!」と、町民にも元気になってほしかったと振り返ります。町民の間でも話題となり、今では、町内にある「いずみの学校」の寮の生徒をはじめ、町民がふらっと遊びに来るコミュニティの場にもなっています。

佐藤さんは、ゲストハウスを会場にミニライブを開催するなど、宿泊者と地域の人達の交流の場づくりを大切にしています。また、若い人のチャレンジの場に使ってほしいとの思いも。例えばパティシエに挑戦してみたり、カフェ営業してみたりして自分を見つめ直せる場になればと、佐藤さんは話します。

佐藤さんの母親が握ったおにぎりを朝食として100円で提供する「おにぎりBar」も不定期で実施。地元の山わさび、虎杖浜のたらこなどを使ったおにぎりは、宿泊者から好評です。朝食を提供する店がない町だからこその配慮であるとともに、家に来たように感じて、次の目的地に出発してほしいという想いが込められています。

▼おにぎりBarのメニュー例
町の顔が宿として蘇った!洞爺湖エリア初のゲストハウス「佐藤商店」

佐藤さんは、豊浦町近郊を満喫する拠点として、町内外の飲食店や観光名所を宿泊者に紹介することもしばしば。宿泊者の8割が外国人といいますが、中には町内の飲み屋を紹介すると日付をまたいでも帰ってこない人や、気に入って延泊する人も。

「豊浦町が大きな観光地になる必要はなく、今いる人の姿を見せるだけでも十分、観光コンテンツになる」と佐藤さんは強調します。また、海も山も川も近く、豊かな自然が豊浦町のもう一つの魅力。駒ヶ岳を望む噴火湾に夕陽が沈む様子は、豊浦町ならではの風景です。「豊浦町が癒しの場になってほしい」と佐藤さん。

▼秘境駅としてすっかり定着した小幌駅へも、Guest House 佐藤商店が便利
町の顔が宿として蘇った!洞爺湖エリア初のゲストハウス「佐藤商店」

今後は、隣町の長万部町にもゲストハウスを開設する予定だとか。佐藤商店の勢いはとどまるところを知りません。

Guest House 佐藤商店
所在地:虻田郡豊浦町字旭町4-6
電話:0142-88-9018
宿泊料:素泊まり3,000円(税込み)
チェックイン:16:00~22:00
チェックアウト:10:00
不定休、予約優先
公式サイト

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編集部

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