旅する

”北海道の背骨”を深堀り―全国でも珍しい「日高山脈博物館」を訪ねて

博物館と名の付くものは、全国津々浦々、いろんな種類の施設が数多く存在することでしょう。しかし、山脈博物館となると、少し珍しいかもしれません。さすがは自然豊かな大地というべきか、北海道には日高山脈博物館なる施設があります。一体どんな展示がされているのか、日高町を訪れてみました。

全国的に珍しい、山脈がテーマの博物館

▼日高山脈をイメージしたような三角屋根
”北海道の背骨”を深堀り―全国でも珍しい「日高山脈博物館」を訪ねて

日高山脈は、北海道中央南部を南北に走る山脈です。北部の幌尻岳(2053m)を最高峰とし、海抜1500~2000m級の山々が、実に140kmにわたって連なっています。そのダイナミックな山々は「北海道の背骨」とも称され、山稜全体が国内最大の国定公園として定められています。

また、沙流川の流れる渓谷や貴重な動植物など、豊かな自然を守るために、沙流川源流の原始林は国の天然記念物にも指定されています。

▼4階の展望コーナーから臨む雄々しい姿
”北海道の背骨”を深堀り―全国でも珍しい「日高山脈博物館」を訪ねて

日高山脈博物館では、そうした日高山脈の歴史をはじめ、登山ガイド、動植物、山と人との関わりなどをパネルや標本、模型の展示などでわかりやすく解説してくれています。

博物館は4階建てで、フロアー毎にテーマが設けられています。そこで、1階から順番にフロアを巡りつつ、館内の様子を少しだけご紹介していきましょう。

日高山脈をさまざまな角度から紹介

▼1階入り口にある日高ヒスイ原石
”北海道の背骨”を深堀り―全国でも珍しい「日高山脈博物館」を訪ねて

1階に入ってまず目を引くのが、大きな日高ヒスイの原石です。日高ヒスイは、今から約40年ほど前に発見されました。研磨加工された美しいヒスイを見たい人は、常設展示にはないのでスタッフまで申し出るといいでしょう。

ちなみに1階は登山とハイキング、研究者用の施設となっています。日高山脈のジオラマや、森林ウォークやドライブが楽しめるコースを紹介するパネル、代表的な登山ルートの紹介などがあります。また、昭和のはじめにひとりで日高山脈に登ったパイオニア、伊藤秀五郎の日記も展示しています。

▼日高山脈の石を展示する2階フロア
”北海道の背骨”を深堀り―全国でも珍しい「日高山脈博物館」を訪ねて

この博物館のメインフロアが、2階になります。日高町は複雑な地質の上に成り立っており、さまざまな岩石を見ることができます。

2階フロアでは、代表的な14種類の岩石を展示。磨き上げられた岩石の表面は、直接触れることも可能です。さらにこうした岩石を顕微鏡で見ることもできます。石とは思えない神秘的な画は、ぜひ実際にのぞいて確かめてください。

▼日高町で採取されたさまざまな化石
”北海道の背骨”を深堀り―全国でも珍しい「日高山脈博物館」を訪ねて

日高山脈ができる前、このあたり一帯は海の中だったといいます。日高町で見つかったアンモナイトなどの化石も、2階フロアで見ることができます。また、ここでは日高山脈が誕生した歴史を紐解くべく、地球の仕組み、プレートの仕組みを模型で確認できるコーナーもあります。

▼日高山脈のカール地形の模型
”北海道の背骨”を深堀り―全国でも珍しい「日高山脈博物館」を訪ねて

3階フロアでは、日高山脈の豊かな自然に迫ります。氷河の爪あとを示すカール地形の模型や、氷河時代の生き残りのナキウサギの剥製を見ると、北海道で唯一氷河におおわれた日高山脈の歴史が実感できます。また、実際に日高町で見られる主な樹木標本もあり、触って木肌や切り口を比べることも可能です。

そして4階は展望コーナー。1階から3階まで順番に見て学んできた後、改めて展望コーナーから日高山脈を眺めると、少し違ったふうに見えるかもしれません。

▼見て、触って、感じ取る
”北海道の背骨”を深堀り―全国でも珍しい「日高山脈博物館」を訪ねて

日高山脈博物館を訪れると、そこに待っていたのは太古から伝わる地球の鼓動でした。日高山脈は、まさに大自然によって創造されたもの。そのダイナミズムを、ぜひこの博物館でさまざまな角度から感じ取ってみてください。

日高山脈博物館
所在地:北海道沙流郡日高町本町東1丁目297-12
電話:01457-6-9033
開館時間:4月~10月 10時~17時、11月~3月 10時~15時
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は開館し、翌火曜日)
入館料:大人200円、小人(小・中・高生)100円
公式サイト

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。【編集部専属ライター】