かつて北海道上士幌町には、旧国鉄士幌線が走っていました。それに伴い、鉄道橋として当時いくつかのコンクリートアーチ橋梁が造られました。
現在は廃線になってしまいましたが、今でも美しい姿を残している橋梁があり、中でも崩壊が危ぶまれているタウシュベツ川橋梁は有名です。それらは総称して旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群と言われています。
現在見ることができるコンクリートアーチ橋梁を紹介しましょう。
今でも見られる橋梁群
旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群のいくつかは、登録有形文化財として登録されています。現在でもその美しい姿を見に行くことが可能です。現在見ることができる橋梁を上士幌町市街から糠平国道(国道273号線)を北上するルートで紹介します。
▼旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群マップ
1.勇川橋梁
(写真提供:NPOひがし大雪自然ガイドセンター)
帯広―ルベシベ間を結ぶ予定であった士幌線(上士幌―十勝三股間は音更線として建設され1939年開通)のコンクリート造カルバート橋。ひがし大雪鉄道アーチ橋群のひとつで、橋長4mと小規模ですが、パラボラアーチとしている点に特徴があります。登録有形文化財です。(出展:文化庁国指定文化財等データベース)
2.第三音更川橋梁
1937年に完成した、橋長71mのアーチ橋です。鉄筋コンクリートアーチ橋としては北海道一の大きさを誇っています。桜と釣りの名所泉翠峡という景勝地に架かっています。登録有形文化財です。
▼橋の上は立ち入り禁止になっています
3.糠平第一陸橋
1955年に完成した橋長47mのアーチ橋です。国道から見上げると見つけることができますが、緑が多い季節になると木々の影になり見つけることは難しくなります。
4.下の沢陸橋
(写真提供:NPOひがし大雪自然ガイドセンター)
5.第二音更川橋梁
1936年に完成した橋長73mのアーチ橋です。断崖絶壁に沿って造られていて、川を渡らない陸橋です。
▼橋の上は立ち入り禁止になっているため木々が生い茂っている