三笠市「桂沢湖」でワカサギ釣り!凍えた体は温泉と合鴨鍋で温めて

凍った湖に穴をあけて釣り糸を垂らすワカサギ釣りは、北国の冬の風物詩です。札幌近郊でもワカサギ釣りを楽しめるスポットがいくつかありますが、三笠市桂沢湖のワカサギは一味違うと釣り好きの間で評判です。凍えた体を温めてくれる温泉や美味しい合鴨鍋を味わえる旅館もある”冬の桂沢湖”を訪れてみました。

クリアな水に育まれた桂沢湖のワカサギ

▼ワカサギ釣りは桂沢湖の冬の風物詩

桂沢湖は、1957(昭和32)年の桂沢ダム建設でできた人造湖です。かつてはのどかな集落がありましたが、ダム建設により水没区域となる上桂沢部落の全戸、桂ノ沢開拓部落、菊面沢部落の一部の住民172戸が立ち退き、思い出の地が水の中に沈んでいきました。

▼充実のレンタルで手ぶらでも大丈夫

桂沢湖でワカサギ釣りを楽しむ前に、売店で穴使用料(300円)を支払います。ドリルなどを使って自分で穴をあける湖が多い中、桂沢湖はあらかじめ穴が開いている親切さ。使用料はその管理費用などに充てられています。貸し竿(竿・仕掛け・餌付き1,200円)や、売り竿(同1,700円)のほか、テントや長靴、椅子もレンタルできるので、手ぶらで来ても楽しめます。

▼半世紀以上の歴史を持つ桂沢湖のワカサギ釣り

ワカサギは全長15cm程度の淡水魚で、自然下では河川の下流域や汽水域に生息しています。味は淡白でフライにすると大変おいしい魚です。桂沢湖には水質管理のためにニジマスやアメマスが放流されており、ワカサギはそれらの餌として放流されていましたが、1959(昭和34)年から観光資源としてワカサギ釣りが開始されました。

▼水質がいいからワカサギがうまい

桂沢湖の水は水道水に使用されるため、そこで育つワカサギは臭みがなくクリアな味が特徴です。水質維持のため撒き餌も禁止されています。通常よりも小ぶりなので、仕掛けや餌もそれに合わせたものを用意しなければなりません。

▼性別・年齢を問わず楽しめる

さっそくヒットしました。しかし、ある程度の数を吊り上げるには時間がかります。一人静かに糸を垂らすのもいいですが、家族や仲間とワイワイやりながら寒さをしのぐのがお勧めです。

ダム建設と共に歩む「湯の元温泉旅館」

▼隠れ家的な温泉旅館

冷え切った体を温めるには、温泉に浸かったり温かいものをおなかに入れるのが一番です。「湯の元温泉旅館」は、その両方を満たしてくれるお宿です。桂沢ダム建設の寄宿舎として使われていた建物を、先代のオーナーが買い上げて温泉旅館を開業しました。

「何か珍しいものをメニューに加えたい」と、滝川市の合鴨鍋をヒントに合鴨料理の提供を開始します。5年前から三笠市出身の八戸卓哉さんらに経営が移りましたが、レシピが引き継がれ伝統の味が守られています。

▼肉が固くならないよう冷凍で提供

▼最高の出汁に鴨の味がプラスされて極上に!

「かもカレー(900円)」「合鴨丼(900円)」「鴨そば(700円)」など、さまざまな鴨料理がありますが、体を温めたいのなら「合鴨鍋(1600円)」が人気です。厳選された国産合鴨をあっさりした醤油ベースの出汁で煮込んでいます。地元の店から仕入れた豆腐はうまみが強く、鍋のおいしさを際立てます。

具がなくなった後はうどんを投入。のど越しを考慮して、きしめんを使用しています。別注文のご飯や卵を入れておじやを作るのもお勧めです。最後の一滴まで美味しく出汁を堪能することができました。

凍えた体をとろけさせる天然温泉

▼雪を見ながら露天風呂

温泉は無色無臭な単純硫黄冷鉱泉です。お湯に浸かると冷え切った体が解凍されていくようで、なかなか上がることができません。露天風呂やサウナに入りながらゆっくりと体を温めました。

▼昔ながらの温泉宿は三笠の宝

「ひっそりと佇む昔ながらの温泉宿を継承していきたい」と八戸さんは語ります。以前は道道に面していましたが、数年前から新しい道路ができたため、隠れ家のようになってしまいました。道道116号線沿いに看板が出ていますので、見落とさないように注意してください。

桂沢湖ワカサギ釣り
所在地:北海道三笠市桂沢
営業時間:9時~16時(最終受付:15時まで)
営業期間: 毎年1月中旬から3月中旬まで(期間中無休)
連絡先:01267-6-8235(桂沢国設スキー場)、01267-2-3997(三笠市商工観光課商工観光係)
湯の元旅館
所在地:北海道三笠市桂沢94番地
ランチ:午前11時~午後15時
食事ラストオーダー: ~19時30分
飲み物ラストオーダー: ~20時
日帰り入浴:10時~20時50分
連絡先:0126-6-8518