日本最北の湖は礼文島にあった! その名は「久種湖(クシュコ)」


【礼文町】 日本最北の湖はどこ?と聞かれたら、何と答えたらよいだろうか。クッチャロ湖(浜頓別町)と答える人もいるが、それは間違いで、実は礼文島にある。その名は「久種湖(くしゅこ)」。クッチャロ湖が北緯45度8分0秒、久種湖が北緯45度25分55秒なので、明らかに北側に位置している。稚内市の大沼よりも北に位置するため、日本最北の湖沼ともいえる。[地図]


久種湖は礼文島北部の船泊地区にある、島唯一の湖である。アイヌ語の「山越えする沼」に由来する。淡水湖で、面積は0.49km2、周囲4km程度と、すごく大きいというわけではないが、春には南岸でミズバショウが咲く。野鳥の観察ポイントとしても知られ、冬には渡り鳥のハクチョウ、マガモ、春にはアマサギなどを観察できる。湖は一周することが可能。西側は道道40号線、北側は道道507号線と船泊市街地、北東にオートキャンプ場、東側は自然探勝路、南は湿原や牧草地と隣接する。

▼久種湖南岸付近

この湖周辺は昔から人々が営みを続けてきた。縄文時代の船泊遺跡が船泊湾の砂浜にあって貝殻の飾り物が発掘されたり、美しい女性エリアを巡って湖ができたというアイヌの伝説も残されているし、湖岸西部の高台にはチャシ跡も確認されている。現在は湖の北部と海岸の間に集落が形成されており、道道の交点ともなっている。

この集落を中心に湖と海とを両方見下ろせる場所が「久種湖畔キャンプ場」脇にある。それが「久種湖展望台」である。急すぎるきつい階段を頑張って登りきれば、絶景が広がる。スコトン岬とその先のトド島も、逆側の金田ノ岬も、その間の湾曲した船泊湾も見渡せる。知る人ぞ知る展望台ではあるが、こんな海と湖とその間に挟まれた集落を一度見れる風景は道内でもあまりないのでオススメだ。

▼左:展望台から見る湖。▼右:展望台から見る船泊市街地

▼左:金田ノ岬方向。▼右:スコトン岬方向

▼左:階段が急すぎる件。転落注意。右:展望台頂上にベンチあり

スケジュールに余裕があれば、自然散策をじっくり楽しむためにも、このキャンプ場で一泊するのもあり。オートキャンプサイト、コテージ、フリーテントサイト、バンガロー、礼文町ファミリースポーツセンターが整備されており、管理棟もあるので安心。

▼久種湖畔キャンプ場


知られざる日本最北の湖・久種湖は、穏やかでとても気持ちのよい場所だったので是非とも訪れていただきたい。