知られざる利尻の花畑「南浜湿原」は大変珍しい湿原だった?!


【利尻富士町】 利尻島南部に位置し、春から夏にかけて花を咲かせる自然の名所がある。「南浜湿原」と呼ばれる湿原は、面積約6ヘクタールほどの広さにすぎないが、学術的には国内でも大変貴重な存在であるという。



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道道108号線沿いに入口がある南浜湿原は、駐車場も狭く訪れる人も少ない知られざるスポットだったが、近年は観光バスも路上駐車して団体客が訪れる場所になりつつある。入口近くにある「メヌウショロ沼」(周囲約100m・アイヌ語で「湧水池のある湾」)には逆さ利尻富士が映って美しい景観を作り出す。その沼を中心にぐるっと1周0.4kmの散策木道、途中から分岐しさらに奥地へ続く1周0.5kmの散策木道、合計0.9kmの木道が整備されている。散策にそれほど時間はかからない。利尻山の手前には小さな山・メヌウショロポン山が見える。


春のミズバショウにはじまり、初夏のエゾイソツツジ、ツルコケモモ、ワタスゲ、夏季のタチギボウシなどが花を咲かせる。そのほか、入口付近にサワギキョウの群生地、散策路分岐地点にミツバオウレンの群生地、奥地にカキツバタの群生地、そして沼北岸にミツガシワの群生地があることが確認されている。




この湿原はミズゴケの発達した島最大の高層湿原。場所は海岸の近くに位置しており、低地にありながらの高層湿原は国内にはあまり例を見ない大変貴重な場所だという。一方で、北米原産の外来種オオハンゴンソウが確認されており、湿原植生等への影響が懸念されていることから、駆除作業を2005年から開始、年間約3万本の駆除をボランティアが行っている。

多くの人たちにより守られている南浜湿原。入口の看板には旬の花情報が掲示されている。自然や花が好きな方にはオススメのスポットだ。