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江差観光にアットホームな宿はいかが?明治時代から続く「港旅館」

海沿いの町・江差に、家庭的なおもてなしが評判の旅館があります。明治時代から続いているという、港旅館です。現在は4代目が切り盛りしているこの旅館、フェリー乗り場からもほど近く、江差観光の拠点にするにはうってつけです。一体どんな旅館なのか、気になる食事も含め、取材してきました。ぜひ旅の宿選びの参考にしてみてください。

3代目の思いを継いで奮起!

江差は姥神町にある港旅館。近くには江差のシンボルであるかもめ島があり、その屋号が示す通り、港から吹く潮風が感じられる場所に建っています。きちんとした記録は残されていないものの、その歴史は古く、明治時代に石川県から移住してきた先祖によって始められたということです。

▼えんじ色の外壁が特徴的な港旅館
江差観光にアットホームな宿はいかが?明治時代から続く「港旅館」

現在この旅館を経営しているのが、4代目となる濱塚千寿さんと恵己子さん夫婦。その前は千寿さんのお母さんである3代目が、ひとりで切り盛りしていました。

ところが数年前に体調を崩し、千寿さんの名前すら分からない状態になってしまいます。そんな中でも気にしていたのが、港旅館のことでした。息子の名前も忘れてしまったのに旅館のことは心配してしょっちゅう口に出す母の姿を見て、ここで終わらせてはいけないと、千寿さんは恵己子さんと共に後を継ぐことを決意します。

▼4代目の濱塚千寿さん(54歳)と妻の恵己子さん(52歳)
江差観光にアットホームな宿はいかが?明治時代から続く「港旅館」

しかし、これまでそれぞれに勤めていた夫婦にとって、旅館経営など想像もつかないこと。何も分からないままに手探りで、なんとか一日一日を乗り越えていく日々が続きます。そうして無我夢中で走り抜け、気がつけば3年目に突入していたといいます。

▼部屋は1泊2食付きで税込6,500円(ただし祭事の時期は除く)
江差観光にアットホームな宿はいかが?明治時代から続く「港旅館」

最近では、千寿さんが清掃と経理を担当し、恵己子さんが買い出しと料理を担当するという、役割分担もしっかり確立してきました。新生・港旅館は、ようやくいい波に乗り始めた頃なのかもしれません。

新鮮な旬の魚を家庭料理で

さて、アットホームな雰囲気の港旅館らしく、食事も気取らない家庭料理が並びます。もちろん港町だけに、魚料理は欠かせません。恵己子さんがその時々で新鮮な旬の魚介類を仕入れ、腕を振るいます。

▼新鮮な魚介類が中心の夕食
江差観光にアットホームな宿はいかが?明治時代から続く「港旅館」

丁寧に仕事が施された料理の数々は、どれもほっとする味わい。ついついごはんをおかわりしたくなるような雰囲気です。

聞けば、この旅館に宿泊する客は工事関係者なども多く、何ヶ月も連泊する人も少なくないのだとか。そのため、きちんと栄養バランス良く、なおかつ飽きの来ないよう、毎日の献立には相当気を配っているのだそう。こんな料理が毎日食卓に並べば、きっと仕事にも精が出ることでしょう。

▼身がほろほろの赤魚の煮付け
江差観光にアットホームな宿はいかが?明治時代から続く「港旅館」

▼スープまで飲み干したくなる魚介鍋
江差観光にアットホームな宿はいかが?明治時代から続く「港旅館」

▼ニシンの南蛮漬けはさっぱりとした味わい
江差観光にアットホームな宿はいかが?明治時代から続く「港旅館」

かつては客室の窓からも、たくさんの漁り火が見えたといいます。最近ではイカの漁獲量が減り、そうした光景も少なくなりました。それでも、江差は見どころのたっぷりある町。歴史の名残が町のあちこちで感じられるので、歴史好きの人はぜひ訪れてほしいと、濱塚さん夫婦は仰っていました。

▼朝食にも海の幸がしっかりと
江差観光にアットホームな宿はいかが?明治時代から続く「港旅館」

歴史のある旅館だけに、昔からの馴染み客も多いという港旅館。夏には海水浴に訪れる客もいて、賑わいを見せているそう。ホテルに宿泊するのもいいですが、江差観光の際は、こんなアットホームな旅館はいかがでしょう。素敵な旅の思い出が、きっとひとつ加わるはずです。

港旅館
所在地:北海道檜山郡江差町字姥神町8
電話:0139-52-0308

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。【編集部専属ライター】