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本格的な冬に営業しないゲレンデ!? 中山峠スキー場の謎を解明する

札幌から中山峠を越えて喜茂別町方面に向かう時、峠のあげいもで有名な「道の駅・望羊中山」付近にちょっと不思議なスキー場があるのをご存じでしょうか? 札幌市内ではまだ落ち葉の哀愁ただよう晩秋の11月に早くもスキーを楽しんでいる客の姿を見ることもあれば、逆に雪が降って道内各ゲレンデが賑わい出すスキーシーズンは無人で閑散としている。そして4月に入り、春の雪融け時期になるとまたまたゲレンデにはスキーヤー達の姿が……。

中山峠を越えるたび「いったいこれはどういう事?」といつも気になっていた筆者ですが、今回はその不思議を解明すべく現地に出向いてみました。

シーズンになると無人になる不思議なゲレンデ

その不思議なゲレンデは「中山峠スキー場」。ここの施設は全長600mのペアリフトが1本とシンプルながらも、初心者に優しいファミリーコースや最大斜度26度の中級・シルバーコースの他、非圧雪のこぶ滑りを楽しめる上級・ダウンヒルコースとそれぞれのレベルに合わせて楽しめるように設計されています。

コンパクトな規模ながらもそれぞれのレベルに合わせて楽しめるゲレンデ(写真提供:中山峠スキー場)
本格的な冬に営業しないゲレンデ!? 中山峠スキー場の謎を解明する

そして何より嬉しいのが峠の山頂、標高830mに位置するゲレンデに降り積もるパウダースノー。11月の「この」時期に「この」ふわふわ雪質で滑ることができる! それだけでパウダーマニアならずともワクワクしてきますよね。

そんな「小粒でもぴりりと辛い」魅力がある中山峠スキー場ですが、お話をうかがうとこちらの営業はシーズン初頭の初すべり期間と4月1日からの春スキー期間のみで、スキーシーズンがピークとなる時期、2017年の場合12月11日(月)から2018年3月31日(土)はクローズするとのこと。

え~、もったいない。なんで~?

初冬と春のみ営業する理由とは

この中山峠スキー場、現在は留寿都村にある超ビッグゲレンデ・ルスツリゾートの経営で知られる加森観光が運営していますが、もともとは1966年、喜茂別町の第三セクター「中山峠健民センター・宝乗山スキー場」としてオープンした施設でした。

開業当時はリフト三本を運行させ、もちろん通年営業で多くのスキーヤーが訪れていましたが、その後2000年に入り、スキーブームの終焉とともに来場者数が減少して経営が悪化。2003年には三セクの特別清算に伴い、現在の加森観光が運営管理を引き継いだとのことです。

▼このリフトの誕生は1966年!
本格的な冬に営業しないゲレンデ!? 中山峠スキー場の謎を解明する

「施設を引き継いだ時、町の皆さんに愛されてきたこの中山峠スキー場を今後も存続させていく方法がこの変則営業方式だったんですよ」と答えるスキー場支配人の柳橋さん。

「ここから30分も走れば、リフト、ゴンドラ合わせて18本、総滑走距離42キロを誇る道内最大規模のルスツがあります。通常のシーズン中はルスツのビッグゲレンデで滑っていただけますが、いかんせん中山に比べたら期間が限られます。ルスツやその他近隣スキー場のオープン前やクローズしてからも滑りたいというお客様にとって、中山はある意味で福音となったわけで、こんな変則営業でもたいそう喜んでいただいております。まぁ、うちのグループとして、シーズン最長の中山と大規模ゲレンデのルスツをワンセットで見ていただけたらと思いますよ」

▼同じ加森観光が経営する道内最大級のスキーリゾート・ルスツ
本格的な冬に営業しないゲレンデ!? 中山峠スキー場の謎を解明する

春スキーシーズンが魅力の中山峠

そのバックには経営が悪化した三セクをスムーズに継承していくというビジネス事情があったにせよ、「楽しけりゃいいさ」というわれわれお気楽スキーヤー・スノーボーダーにとって、ロングスパンで楽しめる中山峠スキー場は実にありがたい存在です。

また地元行政にとっても「もちろん税収をいただくという観点もありますが、それ以上に町外からもたくさんのお客様に来ていただけるというのは町の活性化にもつながり、おおいに貢献していただいていますよ」(喜茂別町商工観光課談)とのこと。町よし会社よし、スキーヤーよしの「三方よし」を絵に描いたようなビジネスモデルを垣間見た次第です。

さて「中山の真髄は春スキーにあり」とする柳橋さん。確かにその言葉通り、春の中山峠は魅力がいっぱいです。「跳び屋」さんたちにとっては垂涎の施設、春シーズンにオープンする当スキー場名物の中山キッカーや……

▼春シーズンのゲレンデ。右手がスキー場名物の中山キッカー(写真提供:中山峠スキー場)
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春のポカポカ陽気の中、運がよければ軽装のコスプレ滑りを楽しむお嬢さんたちと出会えることも。

▼運がよければコスプレガールと会えるかも?(写真提供:中山峠スキー場)
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また、休日には家族や仲間同士で肉や野菜を持ち込み、スキーの合間に「雪上バーベキュー」を楽しむ風景も見受けられます。

▼ゲレンデで雪上バーベキューを楽しむスキーヤーたち
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12月から3月の豪雪期間を経て、峠のスキー場は4か月の長い眠りから目覚めます。下界では野球にテニスに、またゴルフにとそろそろ動き出すその時、車にスキーやボードを積み込み、暖かい春の日差しのもとで真っ黒に日焼けしながらジーパンとTシャツで滑りを楽しむ……。ここ中山峠スキー場は、そんなマニアックなシーンを演出してみるにはぴったりのスキー場と言えるでしょう。

中山峠スキー場
所在地:北海道虻田郡喜茂別町川上345
問合せ先:0136-33-3373
営業期間(予定):
初滑り期間 2017年11月19日(日)~12月10日(日)
春スキー期間 2018年4月1日(日)~5月13日(日)
2018年5月14日(月)以降はゲレンデの状況により土日のみの営業を行なう予定。ちなみに2013年は6月2日まで営業したという最長記録あり。
リフト営業時間 9:00~16:00
公式サイト

コースマップ

本格的な冬に営業しないゲレンデ!? 中山峠スキー場の謎を解明する

筆者について

大谷修一

大谷修一

宮の森風水鑑定所代表。風水、パワースポット研究の分野で、第一人者的存在。
北海道のパワースポット調査の為全道取材の折各地の観光協会や地域住民とネットワークを構築し、目下「風水と観光」をテーマに幅広い活動を展開中。
北海道文化放送「さあ!トークだよ」、北海道テレビ「イチオシ!」、札幌テレビ放送「ジョシスタ」等テレビ番組に出演。北海道内の風水パワースポット紹介者として、また風水の「開運アドバイザー」として視聴者から好評を得ている。