旅する

昭和のモノ約4000点を展示―帯広愛溢れる私設博物館「昭和ナツカシ館」

JR帯広駅から徒歩約20分、帯広競馬場からだと徒歩約5分。何やら変わった形の屋根の、面白そうな建物があります。建物には「昭和ナツカシ館」との看板が。ますます面白そうなニオイがプンプンするではありませんか。興味をそそられるままにフラフラ入っていくと、そこに広がっているのは、紛うことなき昭和の世界だったのです。

オモチャ、黒電話、レコード、オルゴール……

▼外にまで溢れ出す懐かしいモノたち
昭和のモノ約4000点を展示―帯広愛溢れる私設博物館「昭和ナツカシ館」

昭和ナツカシ館は、主に帯広の歴史をテーマに掲げながら、昭和の古き良きモノたちを所狭しと展示しています。その数、なんと4000点! ひしめき合う展示品はどれも懐かしくて、ついつい顔がほころびます。

▼見ていると時間が飛ぶように過ぎる
昭和のモノ約4000点を展示―帯広愛溢れる私設博物館「昭和ナツカシ館」

単に展示してあるだけではなく、なんでもここは「体験型」ということで、自由に触れられるのがうれしいところ。昭和の時代を知らない小学生が、目を輝かせて古いオモチャを手に取っている様子は、いつの時代も変わらない子どもの好奇心を感じさせます。

▼古い看板、古い写真
昭和のモノ約4000点を展示―帯広愛溢れる私設博物館「昭和ナツカシ館」

具体的にどんなものが展示されているのか、少し見ていきましょう。まずは上の写真。写真左下は、お風呂屋さんに掲げられていた注意書きの看板でしょうか。また帯広競馬場をはじめ、帯広の風景を映した古い写真が数点あります。

▼昭和30年代の国鉄バス待合所
昭和のモノ約4000点を展示―帯広愛溢れる私設博物館「昭和ナツカシ館」

セピア色の写真は、その時代を生きていないはずの人間にも、不思議な郷愁をかきたてます。

▼活気溢れる帯広の街並み
昭和のモノ約4000点を展示―帯広愛溢れる私設博物館「昭和ナツカシ館」

昭和ナツカシ館に展示されているうちの7割は、帯広の歴史に関連するものです。

▼レコードの紙ジャケットも懐かしい
昭和のモノ約4000点を展示―帯広愛溢れる私設博物館「昭和ナツカシ館」

高齢の音楽家が帯広に多くいたり、あの「リンゴの唄」の作曲家万城目正が帯広出身だったりと、実は音楽とも関わりの深い帯広。ただ懐かしいだけのように見えるレコードジャケットの展示も、実は帯広の歴史を物語っています。

▼壁一面にアンティークのオルゴールが
昭和のモノ約4000点を展示―帯広愛溢れる私設博物館「昭和ナツカシ館」

展示の7割が帯広の歴史に関するものなら、残りの3割はというと、実はオルゴールなのです。緻密に作られた国産のオルゴールは、まさに日本の技術が作り上げた芸術品。全国のオルゴールファンからも熱い視線を集めています。

郷土愛と使命感に突き動かされて

なぜこのような私設博物館をつくったのか、館長の参納弘義(さんのうひろよし)さんに話を伺いました。

▼1940年帯広生まれの参納弘義館長
昭和のモノ約4000点を展示―帯広愛溢れる私設博物館「昭和ナツカシ館」

「うちは先祖代々帯広なんですが、1892(明治25)年、十勝の開拓民としてこの地に移ってきたのがはじまりなんですね。私はその3代目。先祖が頑張って築き上げてきた歴史を伝承していかなければ、という思いがあり、この博物館をオープンしました」(参納さん)

参納さんが歴史の伝承を意識するようになったのは、20代の頃。その頃から少しずつ帯広の歴史に関わるあれこれを集め続けたものが、昭和ナツカシ館に繋がっていったのです。ちなみに上の写真で参納さんが手にしているのは、帯広市柏小学校の学帽と帯広町時代の徳利、前掛けは帯広のあんこ屋さんのもの。徹底しています。

「帯広への郷土愛と、フロンティア・スピリットがないとここまでできません」と胸を張った後、「何より、みんながやらないことをやる人生が好きなんだよね」と、いたずらっぽい笑みを浮かべます。

▼半世紀をかけて収集してきた
昭和のモノ約4000点を展示―帯広愛溢れる私設博物館「昭和ナツカシ館」

最初に、展示されているモノたちは4000点だと述べましたが、実は展示しきれずに保管しているモノは2万点にも及ぶというから、もう脱帽するしかありません。いつかすべてを展示したいということで、今より広い場所を探しているという参納さん。これだけ収集する情熱があれば、昭和ナツカシ館が新たな場所を得てパワーアップするのも遠い日ではなさそうです。

昭和ナツカシ館
所在地:北海道帯広市西13条南12丁目1-5
電話:0155-24-9070
開館日時:土・日・月・火・祝・祭日 10時~18時(8月は無休)
入館料:大人300円、中・高生200円、小学生100円

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。【編集部専属ライター】