標津線終着駅「根室標津駅跡地」赤い転車台は必見

釧網本線や根室本線とは別に、根釧台地に鉄路が広がっていたのをご存じだろうか。旧国鉄(JR北海道)の標津線と呼ばれる鉄道は、釧網本線の標茶駅から中標津を経由し標津まで続いていた他、中標津から根室本線厚床駅まで厚床支線が存在していた。根室標津駅は1937年10月30日に計根別~根室標津間が延伸したとき開業。約52年間営業し、1989年4月30日に全線廃止した。

旧標津線沿線には鉄道の跡が残されている場所が点在する。その一つが終着駅の根室標津駅である。海側にあった駅舎は現在ないが、駅構内にあった転車台(ターンテーブル)や錆びついた車輪が、草ぼうぼうの広場に残されている。草をかき分けて鉄道遺産を探すのは楽しいものである。



かつてこの台の上に機関車を乗せて方向転換するのに使われていた。転車台の南側には機関庫があり、転車台北側に石炭庫や給水塔、埋設型の水タンクがあった。20年以上経った現在もこの転車台は赤く塗られて残されており、2002年8月26日に「標津駅転車台」として標津町文化財に指定された。現在も赤く塗装がなされ大切に保存されている。



標津駅跡地をぶらっと散策したら、もうひとつ行っておきたい場所がある。転車台をそのまま南進し道道863号線を超えたところにあるSL静態保存である。標津町公民館広場にあるのは1941年8月18日製造のC11-224。1974年に北海道釧路に配属されるも、わずか1年で廃車扱いとなり、1975年6月25日以降保存されている。道内での活躍は短かったが、道東を走っていた機関車なのである。

いまは鉄路がなくなった標津町であるが、鉄道の終着駅だった名残が随所に見られる。標津町を通りがかることがあれば、標津羊羹片手に立ち寄ってみていただきたい。