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30年目の初デビュー!千歳市の日帰り温泉「天然温泉くるみの湯」

2017年12月24日、千歳市に小さな日帰り温泉施設がオープンしました。

名称は「天然温泉くるみの湯」といいますが、実はここに温泉施設ができてから30年も経っているのです。それで、今回オープンに至った経緯と新しくなった施設の様子を取材してきました。

▼地下1800mの恵み
30年目の初デビュー!千歳市の日帰り温泉「天然温泉くるみの湯」

一般の入浴を受け付けない温泉としてスタート

この施設は1988年(昭和63年)に行われた温泉ボーリングによって始まりました。掘削を行ったのは、その前年に47名の出資によって結成された「農事組合法人 根志越地熱利用組合」です。その後の30年間、この温泉は組合員や有料の市民農園利用者だけが入浴できる特殊浴場として、宣伝することもなく静かに営業を続けてきました。

この温泉の存在すら知らない方が多い一方で、一般の入浴を受け付けないハードルの高さゆえに全国の温泉ファンの間ではよく知られていました。

最終的に筆者は2年前に組合員になってこの温泉を楽しめるようになりましたが、過去には道内外から来て飛び込みで入浴できるか交渉をしたり、建物の前で組合員に声をかけて一緒に入ろうとした方もいます。運良く入浴できた方もわずかにいたようですが、これまで非組合員がここに入ることはほとんどなかったということです。

▼特殊浴場時代の組合員証(個人情報保護のため加工済み)
30年目の初デビュー!千歳市の日帰り温泉「天然温泉くるみの湯」

そのように組合員の年会費と入浴料だけで運営されていたこの温泉も、時代の流れとともに組合員が減少。今後もこの温泉を維持していくため組合員の同意を得て特殊浴場から一般客を受け入れる公衆浴場へと営業を転換することになり、約3ヶ月間のリニューアル工事を経て新規オープンとなったのです。

▼開業祝いのお花が並ぶオープン当日の受付
30年目の初デビュー!千歳市の日帰り温泉「天然温泉くるみの湯」

リニューアルで何が変わった?

受付や休憩所などは改修前からほとんど変わっていませんが、浴室の面積が広げられ、雰囲気が変わりました。以前は4~5人が入れるくらいの湯船が1つだけでしたが、現在は男女ともに約41度と約43度の2つの湯船があり、一度に入れる人数が3倍ほどに増えています。洗い場も増設されて、今までより多くのお客さんが来ても対応できるようになりました。

▼女湯の浴室
30年目の初デビュー!千歳市の日帰り温泉「天然温泉くるみの湯」

▼男湯の浴室
30年目の初デビュー!千歳市の日帰り温泉「天然温泉くるみの湯」

取材の際にお客さんには見えない裏側も見せていただきましたが、ボイラーなどの設備も一新されていて、実はかなり本格的なリニューアル工事だったことが分かりました。

▼特別に見させていただいたボイラー室
30年目の初デビュー!千歳市の日帰り温泉「天然温泉くるみの湯」

要となる温泉はウーロン茶のような色をしたモール系のお湯で、泉質名はアルカリ性単純温泉です。優しいお湯ながらしっかり身体が温まりますし、何より特徴的なのはお湯に浸かった時に感じるヌルヌル・ツルツルした肌触り。泉質名を見るだけでは分からない「隠れ美肌の湯」で、お肌のクレンジング効果が高いと言われる要素を複数含んでいます。

リニューアルに際してお湯の使い方が循環ろ過方式とかけ流し方式の併用に変わりましたが、特徴を十分に肌で感じることができる良いお湯でした。

改装されたものの、タイル張りで内風呂のみのコンパクトな浴室にはどこか懐かしさを感じます。入浴料は北海道の銭湯料金よりも安い430円。そのためタオルやシャンプー等のお風呂道具は持参する必要がありますが、設備やサービスが揃っているスーパー銭湯タイプの温泉とは違う、共同浴場の雰囲気と良さを楽しんでいただきたいと思います。

▼脱衣場には無料のロッカーが新設された
30年目の初デビュー!千歳市の日帰り温泉「天然温泉くるみの湯」

天然温泉くるみの湯
所在地:千歳市根志越59-13
電話:0123-24-5531
営業時間:12:00〜21:00(20:30受付終了)・年中無休
入浴料:大人430円・小人140円

筆者について

髙野紀康

髙野紀康

1974年生まれ、江差町出身。日帰り温泉の湯守をしながら、年間100軒以上の温泉を巡る。温泉ソムリエマスター・温泉入浴指導員ほか6つの温泉資格を持つ。「北海道は1つの大きな温泉郷」をモットーに、全道を走り回っている。