北海道三大秘湖「オコタンペ湖」―その色が美しく変化する理由とは?

北海道三大秘湖のひとつオコタンペ湖は、最近まで見ることができませんでした。2014(平成26)年9月に発生した大雨による土砂崩れで道路が封鎖されていたのです。ようやく今年(2017年)、道路の一部が開通。さっそくオコタンペ湖に行ってきました。

約3年ぶりに一部区間の通行禁止が解除

北海道三大秘湖をご存じでしょうか? 今回紹介する千歳市にあるオコタンペ湖と、足寄町(あしょろちょう)にあるオンネトー、上士幌町にある東雲湖(しののめこ)を総称してそう呼びます。

季節や時間帯、太陽の当たり方、撮影する角度などによって、コバルトブルーになったりエメラルドグリーンになったり、色がさまざまに変化する不思議な湖ということが、そう呼ばれるようになった所以です。

▼撮影する位置によって色がさまざまに変化する

オコタンペ湖は、先にも書きましたが、2014年の道路封鎖により行くことができませんでした。しかし、2017年5月25日に国道453号線より道道78号線に入るゲートから湖の展望台付近までの3kmほどの区間の通行禁止が解除されました。

▼国道453号線から道道78号線への入口。

ただし、オコタンペ湖展望台より少し先はまだ通行止めになっていますので、その先に行くことはできません。

▼通行止めのため支笏湖方面に通り抜けることはできない

なぜこんなにも湖の表情が変化するのか?

オコタンペ湖は、約2,000年前に発生した恵庭岳の火山活動により、火口から北西方面に流れた溶岩で沢がせき止められ、水が滞留して生まれた湖です。湖に流れ込む水は、漁岳(いざりだけ)、小漁岳(こいざりだけ)からの沢水・湧水で、湖からはオコタンペ川として支笏湖へ流れて出ています。

▼オコタンペ展望台からはこれぐらいしか見ることができない

オコタンペ湖の面積は0.4平方kmで、周囲6.5km、最大水深7m、平均水深4.4m、湖面の標高は599mです。(北海道環境科学研究センター「北海道の湖沼 改訂版2005」より)

水深の浅さ、湖面の反射、時間変化による太陽光の位置、波による反射、湖面周辺の木々の色の反射などなど、複数の要素が複雑に絡み合うことで、色の変化が起きているのだと今回取材協力をお願いした支笏湖ビジターセンターの方にお聞きしました。

▼撮影する角度を変えるだけで色が変化する

気になるオコタンペ湖の名前の由来は、オコタンペ川を意味するアイヌ語「オ・コタン・ウン・ペ」(川下・集落・ある・もの)から。オコタンペ川の源流部にある湖であることから、湖沼を意味する「ト」を語尾につけて「オコタヌンペ・ト」と呼ばれていたのだそうです。

札幌の中心部から車で約1時間で行くことができるオコタンペ湖。これから訪れる紅葉の季節には、さらに美しいオコタンペ湖が見られるはずです。ちょっと足を伸ばして訪れてみてはいかがでしょうか。

▼紅葉とオコタンペ湖(2012年撮影)(写真提供:支笏湖ビジターセンター)

【動画】オコタンペ湖を上空から眺めてみた(許可を得てドローン飛行・撮影をしています)

オコタンペ湖
所在地:北海道千歳市奥潭(おこたん)
問い合わせ先:0123-25-2404(支笏湖ビジターセンター)
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支笏湖ビジターセンター
問い合わせ先:0123-25-2404
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