旅する

毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

世界自然遺産知床のお膝元、斜里町。秀峰 斜里岳の麓に、名水「来運の湧水」があります。北海道内においしい名水が数多くありますが、道東の名水と聞いて真っ先に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。運が来るという名前から、パワースポットとしても定着している来運の湧水をご紹介します。

パワースポットとして知られる来運神社と来運の湧水

斜里町市街から車で斜里岳の方向に向かって南下すること約15分。町の外れにある来運(らいうん)地区に入ります。アイヌ語で「ライ・クル・ナイ」つまり「死者の沢」と呼ばれていた地域で、1899年に開拓が始まると漢字を当てはめて「来運(らいうん)」と読み替えました。

▼来運神社の1つ目の鳥居
毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

開拓期からこの湧水は大切にされてきており、いまでは周辺一帯が「いずみの森来運公園」として整備されています。来運の湧水の奥には来運神社が建立されました。1つ目の鳥居は湧水のところにあり、2つ目の鳥居がある運水橋を渡ってしばらく鬱蒼とした森の中を進むと拝殿に到着します。来運神社は「運を呼ぶ」パワースポットしても知られてきました。

▼2つ目の鳥居と運水橋
毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

来運の湧水は、そんな森の入口にこんこんと、というよりどばどばと湧いています。この水は、近くにそびえる斜里岳(標高1,547m)からの伏流水です。斜里岳は火山灰を含む火砕岩と溶岩の互層となっており、薄い溶岩が冬の厳しい寒さでブロック化して斜里岳の表面を覆っているようです。斜里岳に降った雨水はこの岩間に染み込み、地下水となってブロック化した岩石部分の末端部で湧水となって地表に姿を現します。

▼斜里岳
毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

この地表に姿を現す湧水ポイントは、斜里岳の場合、標高70~80mにあたります。斜里岳を源流とする河川のほとんどは、このあたりから始まっています。

毎分5トン! 町内の上水道にもなっている来運の湧水

来運の水は、斜里岳の湧水の中でも豊富な水量が特徴です。湧水量は毎分5トンとされています。また、夏でも6度前後と冷たいので冬でも凍らないのが特徴です。

毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

名水ブームが起きて以来、来運の湧水は町外にも有名になり、いまも町内外から多くの人たちがポリタンクを持って汲みに来ています。水汲み場の上流には湧水池があり、ここから流れ出る川は来運川となり、猿間川に合流します。近くにはさけ・ます孵化場があり、さけ・ますが遡上するほどきれいな川ということがいえます。なお、水汲み場は、地元の自治体によってきれいな状態に維持管理されています。

【動画】映像で見る来運の湧水

ウトロ地区などを除く斜里町の市街地の上水道は、ここ来運地区の湧水からひいています。市街地の上水道は、来運地区、斜里川水系猿間川支流フカバ川湧水に水源を求め、1960年に着工しました。来運―斜里市街間28km区間に配水本管を敷設し、1962年1月1日に利用開始となりました。

斜里町内では、この来運の水にちなむ商品が販売されており、道の駅しゃりでは水を汲むための開運ペットボトル(500ml)があります。この道の駅では、来運神社のお守り、絵馬も購入することができるようになっています。

また、知床ウトロにあるホテル「北こぶし知床 ホテル&リゾート」では、本社から分社した来運神社「知床来運神社」と「来運の水」を設置しています。スタッフが1時間近くかけて汲んでくるといい、それほど地元では親しまれている湧水なのです。

▼北こぶし知床 ホテル&リゾートでは来運の水を飲める(laufen Cuka)
毎分5トンが湧き出る!知床半島の根元 斜里町に湧く名水「来運の湧水」

「運がやって来る」と信じられている、知床お膝元の来運の湧水。知床ドライブの際はちょっと寄り道して、水分補給してみてはいかがでしょうか。

筆者について

編集部

編集部

北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。