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さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

2019年3月21日、札幌市中央区の札幌市営地下鉄南北線さっぽろ駅コンコースに、アイヌ文化発信空間「ミナパ」が誕生しました。札幌駅前通地下広場(チ・カ・ホ)のさっぽろ駅側にはアイヌ刺繍展示コーナーが既にあり、札幌駅前通の地下道がアイヌ文化発信の場になりつつあります。

アイヌのアニメーションが楽しめる「ミナパ」

さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

「ミナパ(minapa)」。この美しい響きのアイヌの言葉には、「大勢が笑う」という意味があります。ここを訪れる人達に笑顔になってもらいたいという願いを込めて、愛称がつけられました。

▼愛称は「ミナパ」
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

開設場所は、札幌市営地下鉄南北線さっぽろ駅の北改札と南改札の間、約320平方メートル、長さ42メートル、幅7.6メートル。札幌市が市のアイヌ施策推進計画「アイヌ文化の誇りが尊重されるまちの実現」に向けて、観光客に対してアイヌ民族の歴史・文化に対する理解促進のきっかけづくりにしたいと、2015年度から総事業費約3億2千万円をかけて整備を進めてきました。

▼アイヌの映像が流れるメインシアター
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

見どころの一つは、北改札側壁面にあるメインシアター。高さ約2メートル、幅約3.8メートルのマルチモニターでは、アイヌ語の天気予報やアニメ物語、フランス人作家ボリス・ラベ氏(1987年~)制作のアイヌ文様アニメーション(音楽はマレウレウ)などが流れます。画面の前には座席が配置されており、座ってじっくりと視聴することができます。

▼4人のアート作品を展示
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

メインシアターの近くにはガラスケース2基があり、4人の作家によるアート作品が展示されています。

▼「KENI TUK(ケニ トゥク)芽吹き」(下倉洋之)
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

▼「ぬし」(貝澤幸司)
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

▼「CUK RERA(チュㇰ レラ)秋の風」(荒木繁)
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

▼「retar(レタㇻ)白い」(貝澤珠美)
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

コンコースの中央に位置するアイヌ文化発信スペースには、大テーブルを複数配置。そのうち2つのテーブル上には、アイヌ民族のかつての伝統的な生活を再現したCGアニメーションを天井から投影されます。

▼ミナパの全体像
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▼テーブル上にアニメーションを投影するテーブルシアター
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

「ハコニワコタン」と名付けられたアニメーション展示では、18世紀のアイヌの生活を再現。村の暮らしを学ぶ「チセとコタン」と狩猟や和人との交流が学べる「森と海」が設定されています。「季節・行事を選ぶ」などのアニメーションメニューに手をかざすと解説が表示される仕掛けが施されています。

▼柱にも意味がある
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

ミナパの空間を囲む14本の柱は「カムイの大樹」。樹木に見立ててカムイの森を表現したもので、メイシアターの天気予報で道内14地域の気温を紹介すると、連動して柱の色が変化する仕組み(14地域の固有の柱が決まっています)。また、柱の近くを通ると、動物の鳴き声などの自然の音が流れるようになっています。

天井にはアイヌ文様が大きく描かれており、現代の技術とアイヌ文化の融合がなされていることがわかります。

▼シンボルオブジェはコタンコㇿカムイ
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

南改札口側の端では、シンボルオブジェ「IWOR-UN-PASE-KAMUY」が目を引きます。日高町沙流川下流域の水田から出土した樹齢400~500年のニレの埋もれ木を使って貝澤徹氏が制作したシマフクロウ(コタンコㇿカムイ)で、高さ約2.5メートル、幅約2.4メートル、奥行き約0.7メートル。大きく翼を広げたコタン(村)の守り神が人々を見守りながら、新時代に向かって羽ばたいている様子を表現しています。

メイシアター、テーブルシアターなどの映像・光・音の演出は毎日9時~22時まで。

チ・カ・ホにはアイヌ文様の衣装を展示

▼アイヌ刺繍展示コーナー
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

一方、札幌駅前通地下広場(チ・カ・ホ)には、2011年のオープン以来、アイヌ刺繍展示コーナーが設置されています。場所は、札幌市営地下鉄南北線さっぽろ駅コンコースからチ・カ・ホに入ってすぐ。「ミナパ」とは目と鼻の先です。

この展示コーナーでは、柱を利用して、アイヌ民族の様々な伝統文様を刺繍したタペストリー12点を展示してきました。また、札幌の地名の由来など、アイヌ文化について詳しく紹介するコーナーもあります。

タペストリー12点は下記のとおりです。

▼ケウトㇺピリカ(美しい心)
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

▼コシラッキコㇿ(守り神とする)
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

▼ミナハウ(神々に微笑み)
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▼イレスカムイ(火の神)
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▼キロル(狩に行く道)
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▼パイカㇽエㇰ(春が来た)
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▼カムイチカップ(神鳥)
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▼オウポポリンネ(若生え)
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▼ススカムイ(柳の神)
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▼チュプカムイ(太陽の神)
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▼トートカムイ(湖沼の神)
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

▼ノンノヘチラサ(花が咲く)
さっぽろ駅にアイヌ文化発信空間「ミナパ」誕生!地下道がアイヌ発信の場に

大ヒット中の『ゴールデンカムイ』を筆頭に、平取町二風谷のアイヌ工芸伝承館「ウレㇱパ」や二風谷コタンの新規開業、そして白老町に2020年4月に誕生する民族共生象徴空間「ウポポイ」と、アイヌの話題に事欠かない北海道。札幌市では「ミナパ」やチ・カ・ホのアイヌ刺繍展示コーナーでアイヌ文化に触れてみてはいかがでしょうか。

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北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。