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世界的に貴重!200年かけてできた足寄町の「シオワッカ」とは?

十勝管内北東部に位置する足寄町。市街から阿寒湖(釧路市)に向かう途中の上螺湾地区に、世界的にも珍しい石灰華半ドーム「シオワッカ」があります。しかも公園として整備されているので誰でも観察可能。シオワッカが地質学的に貴重といわれる理由に迫ります。

世界的に貴重な石灰華半ドーム「シオワッカ」

国道241号から螺湾で分岐した道道664号線沿い、螺湾川に掛かる橋のたもとに、シオワッカ公園はあります。木製の階段(遊歩道)を下って川に向かっていくと、分岐があります。メインとなるシオワッカは、下って左手の河岸段丘にあります。

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石灰華半ドームと呼ぶとおり、むき出しのようなドーム状の岩がそこにはあります。地質に詳しくない人にとっては、ただの岩にしか見えないかもしれません。でも、世界的にも珍しいものであると知ると、すごいものを目の前にしているという認識が高まります。

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ドームの頂上の湧出口からはシオワッカ冷泉が川に向かって流れていて、流れ下る途中で炭酸カルシム(CaCO3)が堆積して、約200年(推定年齢)かけてドーム状に成長したというわけ。とはいえ、形成の経緯についてはまだわからないことも多いようです。

わかっていることといえば、このドームは大量の炭酸ガスと石灰質鉱物を含む鉱泉によってできています。メインは炭酸カルシウムの方解石ですが、季節によってできるものが異なります。春先にはファテライト(CaCO3)、夏にモノハイドロカルサイト(CaCO3・H2O)、冬にイカアイト(CaCO3・6H2O)の3種類が確認されています。

どれも世界的にも珍しい炭酸カルシウム鉱物ですが、同じ場所で、冷泉からこの3種類の鉱物ができるのは世界でもここだけで、中でもイカアイトが陸上で発見されたのは世界2例目。近年は湧出量が減少傾向にあるそうですが、今でもドーム周辺は濡れていて、シオワッカ冷泉が流れ降る様子を観察できます。

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静かな環境の中シオワッカを楽しむ

シオワッカとはアイヌ語の「シモチク・ワッカ」が由来で、飲料に適さない毒水を意味します。道道が整備されるよりも前から知られていたことがわかります。名前の由来のとおり飲料には適さないとしても、かつてはこの冷泉を湧かして五右衛門風呂を楽しんでいた人がいたといわれています。

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シオワッカはその貴重な面を考慮し、1992年、足寄町文化財の第1号に指定されました。周辺はシオワッカ公園として整備されていて、道道を挟んで向かい側に駐車場があります。

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国道からそれていることもあり、ラワンブキ目的か、オンネトーへの裏道として使う人か、地元の人くらいしか通りません。交通量がほとんどない静かな環境の中、シオワッカのすごさを間近で見てみてください。

【動画】映像で見るシオワッカ公園

シオワッカ公園
所在地:足寄郡足寄町上螺湾394番地

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編集部

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北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。