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新銘菓『ほがじゃ』はどうやって作っている? 小清水の製造工場を訪ねた

美裡紫
Written by 美裡紫

新銘菓『ほがじゃ』はどうやって作っている? 小清水の製造工場を訪ねた 【小清水町】 前回ご紹介した、オホーツクの味覚を凝縮したお土産ニューフェイス「ほがじゃ」。なんと小清水町に工場を構えているという話を聞きつけ、さっそくお邪魔させていただきました。

2013年7月よりスタートしたばかりの小清水町北陽工場。実は九州の(株)山口油屋福太郎が北海道進出として、統合を理由に閉校となった旧北陽小学校校舎を改修させての新工場なのだ。近くの人ならば誰しもが一度は見たことがあるであろう校舎の見た目はほぼそのままに、親しみやすくとてもきれいで好感的な出で立ち。その建物入口の自動ドアが開くと、おせんべいの焼き上がった香りと温かい空気がふんわりとお出迎え。それと同時に目に飛び込んでくるカラフルでかわいらしく、あまりにもきれいな光景に思わず「うわあ~!」っと声が出てしまったほど。

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工場内は、入ってすぐのところから作業場がガラス張りになっているので、せんべいができあがるまでの行程を見ることができ、機械が動く様子から人の手でやさしく扱われる様子まで丸わかり。「ほがじゃ」を始め、九州のおいしいものを取り揃えた販売ブースや、清潔で広々とゆったりくつろげる休憩スペースも用意されているので、平日にも関わらず続々とお客さんが出入りしている模様。地方からはもちろんのこと、この日も地元の人が足を運んでおり、お茶をしながらおしゃべりを楽しんでいる姿がよく目につきました。 そこで今回は、ほがじゃ小清水北陽工場の清(せい)さんに色々お話を伺ってまいりました。

ほがじゃの材料はオホーツク産のものが中心と聞きましたが?
はい、北海道のお土産として道内の材料にこだわっております。オホーツク産のホタテ、小清水町産のでんぷん、ビート、北見産の玉ねぎを使用しています。

――ほとんどの材料を北海道産にするところにかなりのこだわりを感じます。「これぞ北海道!」と堂々と北海道土産として各地に出せますよね。使用されているイカに関しても、今後オホーツク産のものにすることを予定しているそうで、ますます北海道色が高まりそう。

新工場としてなぜ小清水町が選ばれたのですか?
本社は明治42年に福岡で食用油の製造メーカーとして創業し、食品全般を扱っております。明太子の製造販売もしており、明太子を常温で持ち帰るお土産として辛子めんたい風味せんべい「めんべい」を発売したところ大変ご好評いただいております。しかし3年前、この「めんべい」原料である「じゃがいもでんぷん」が大変な不作で品切れして困り果てました。弊社社長はラジオを付けたまま寝るのですが、その時小清水町有志による「世界一大きなでんぷん団子」がギネスブックに登録されたことを聞き飛び起きたそうです。小清水町にじゃがいもでんぷんが豊富にある土地だったからこそのご縁となりました。

なぜ閉校した北陽小学校を新工場にしようと思ったのですか?
弊社社長が小清水町を訪ね、でんぷんの話をしている時に「この町でお菓子を作りませんか」とお誘いを受けたそうです。小清水町では町内の小学校が1つに統合され、他は廃校が決まっていました。廃校になる小学校の中でまだ新しく、天文台もついた夢のある校舎ということで北陽小学校に決めたそうです。地域産業の活性化、雇用促進、地産地消の販売促進を目指し小清水町と共に発展できればと思っております。

――道民ならば知っているように、小清水町といえば「でんぷんだんご」。そこに注目したうえ、お誘いを受けての選択だとしても、九州からわざわざ北海道へという行動力はすばらしいものだと思います。しかも有名なあの「めんべい」の会社だなんて夢のような話!ちなみに、工場で働いている従業員の殆どを地元から採用しているというところには感心。大人になるにつれて若者が都会へ出てゆき衰えてしまうことを防いでくれることにかなり強力的。これは小清水町をはじめとしたオホーツク、北海道民からも山口社長には感謝の言葉しか見つからないのではないだろうか。同時期に閉校した校舎の1校は来年以降に農産物の加工工場としてお話が進んでいるそうです。本当にうれしいお話ですね。

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新銘菓『ほがじゃ』はどうやって作っている? 小清水の製造工場を訪ねた壁紙とフレーム入りで飾られた絵はどういったものなのですか?
最後の在学生16人に絵を描いてもらい、デザイナーの方に着色していただき飾っています。ここが北陽小学校だった頃、お菓子工場になる事が決まりました。在校生が落胆していると知った弊社の社長が、小学校だった思い出を残せないか……という考えが形になったものです。最後の在校生は今も時々遊びに来てくれています。

――「今日も来ていましたよ!」と語る清さん。別の学校へ行ってしまった子供たちがまた戻ってくるというのはとっても嬉しいこと。それは、"あたたかく迎えてくれる場所"であるからこそ。従業員のやさしさと、工場としての今後だけを見ていない、子供たちの気持ちを汲み取ってくれている山口社長の人柄ゆえ。これらの絵はただかわいらしいだけでなく、こんな感動エピソードと深い気持ちが込められていたのですね。

新銘菓『ほがじゃ』はどうやって作っている? 小清水の製造工場を訪ねた 清さんのお話でもわかるように、とにかくこの北陽工場は「あたたかい」。社長をはじめとした社員全員の愛情が、その空間にもお菓子にも伝わっています。在校生でもない、地元人でもないわたしでも「また遊びに来たい!」と思えるすてきな場所。そして、お茶やコーヒーは無料で自由に飲むことができ、各販売商品も試食をしたうえで味を確かめ購入できるので非常にうれしい。席に座ると「ほがじゃ」の試食ケースを差し出しすすめてくれる親切心もありがたい。

「販売ブースには、これから小清水町および近郊のおいしいものも置く予定です。季節のイベントや展望台から流氷を眺めるツアーなども随時行う予定をしています」と清さん。何やら楽しいことを考えているみたいですね。

工場内へは無料で自由に入場可能。「ほがじゃ」をまだ知らない人も、もう既に知っている人も、九州のお菓子が気になる人も、「ほがじゃ」ができあがるまでを知ることができる工場見学へぜひおこしください。見ることに損はないだけでなく、不思議とあたたかい気持ちになれてしまう美裡紫オホーツクイチオシスポット「小清水町北陽工場」。これからの活動にも期待大!

新銘菓『ほがじゃ』はどうやって作っている? 小清水の製造工場を訪ねたほがじゃ小清水町北陽工場
住所:斜里郡小清水町字浜小清水304番地1
時間:10時~16時(12時~13時は作業見学不可)
休み:年末年始・お盆
※土日祝日は工場が稼働していないので作業見学不可。
【HP】http://www.hogaja.com/
【オンラインショップ】http://www.hogaja-shop.com/

筆者について

美裡紫

美裡紫

1981年7月2日北海道生まれのライター・エッセイスト。「美裡紫の発掘☆オホーツク」では主にオホーツク管内の旬の情報を発信している。これまでに道東圏タウン情報誌『CAM’S北見』でのエッセイ連載をはじめ、モデル活動や各地カフェにてフォトギャラリーを開催している。趣味は写真・創作関係。